ボスニア・ヘルツェゴビナの炭鉱の姿を日本人監督が捉えたドキュメンタリー。ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ。その近郊にあるブレザ炭鉱は操業100年の歴史を持ち、地下300メートルの世界では坑夫たちが黙々と作業を進め、杭を掘り進めている。爆音を響かせ続ける掘削重機、男たちが振り上げるツルハシ、鉱山から掘り出される石の小さな断片など、鉱山、そして労働者たちをカメラがひたすら見つめていく。監督は長編デビュー作である本作で山形国際ドキュメンタリー映画祭2015アジア千波万波部門特別賞を受賞した小田香。「ニーチェの馬」などで知られ、小田監督が学んだ映画学校の創設者でもある映画作家タル・ベーラが監修を務めた。
鉱 ARAGANE총 (2) 개의 댓글
当たり前のように動いているが名称もわからない機械
暗い坑道の先で黙々と作業をこなす男、男、男…
一時間ちょっとの上映時間の内殆どのシーンが真っ暗闇
炭鉱で働く男たちを一切の説明、BGMなく淡々と映していく。それなのにとてつもないインパクト。これがほんとのドキュメンタリーだ。
男たちはこれが日常だからごく普通に仕事をしているだけだが、炭鉱で働いたことのない観客、つまり観客の殆どはこの光景全てが新鮮だ。映画終盤でやっと地上のシーンになるのだが、何故かホッとする。「あ、ちゃんと地球での出来事なんだな、これは」と。
ちょっと違うが、「惑星ソラリス」で車での移動シーンを70年代当時の日本の首都高の映像を編集なく未来の道路として使っている事例を思い出した。我々日本人にとっては見慣れた光景でしかないが、外国人にとっては新鮮なことなのだろう。
そう考えるとこの「鉱」の中の世界はSF映画のようだ。
例えばこの内容を本にしたら、こんな非日常な感想を抱かないに違いない。実際の映像を使った映画の方が現実感が無いと感じるのはなんとも不思議だ
ただこちらも同監督の「セノーテ」同様に、観ていて少し眠くなる