1971年に米スタンフォード大学で実際に行われた心理実験をドイツで映画化したサイコスリラー。元新聞記者のタクシー運転手タレクは、ある心理実験に被験者として参加することに。その内容は、被験者を看守役と囚人役に振り分け、模擬刑務所内でそれぞれの役割を演じながら生活するというもので、タレクは囚人役を割り当てられる。実験は和やかな雰囲気でスタートするが、些細な諍いから看守側と囚人側が対立。さらに実験が進むうち、看守役の人々は支配的・攻撃的な振る舞いをエスカレートさせていく。最初は反抗していた囚人役の人々も次第に抵抗できなくなり、実験は思わぬ方向へと展開していく。主演は「ラン・ローラ・ラン」のモーリッツ・ブライブトロイ。
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ある実験の参加者たちが、囚人役と看守とに分かれて、刑務所で二週間を過ごす。徐々にその役柄に成り切っていく様子と実験に取り憑かれた教授が恐怖。
人間は自分の置かれた立場によって、ここまで精神に異常を来たしてしまうものなのか。完全に客観的な第三者の目線から見ると「そんな事起こり得ない。そんなわけない」と思ってしまう。だけど、自分が実際にその立場に立って見ないと分からないことって沢山あると思う。この映画に限ったことだけじゃなく。
同じ状況に陥ったら、自分のそうなりそうで怖い。
そういう意味では非常に興味深い作品です。
大学時代に心理学の授業で、「学生を看守役と囚人役に分けて、1日8時間模擬刑務所で生活させる実験をしたことがあるが、参加者が行動や日常生活に異常をきたし、その後、この手の実験は禁止された」と聞いた。
実際の映像(面談シーン)を見せられたような気もする。
あまりにも強烈な話だったので、ほとんど記憶にない心理学の授業で、これだけは覚えてた。
その実験が映画化されたと知り、ずっと気になってたものの、見るのが怖くて手が出せなかった。
やっと、覚悟を決めて見てみたら、少し拍子抜けした。
映画の中では、先生に聞いていた話とは異なり、参加者は一般募集した様々な職業の人で、24時間ずっと模擬刑務所にいるというものだった。
看守役の人間は、人を管理・統治できる快感から暴力的になり、囚人役の人間は、その恐怖に狂いだす。
人間がいかにその「環境」と「役割」に左右されるかは、見ていて寒気がしたが、それぞれが狂いだすあたりのリアル感に欠けた気がする。
一人で見ても耐えられるレベルの映像になっていたのは助かったけど。
ただただ怖かった。
そして観た後はなんだか考えされるような、暗い気持ちになる後味が悪い映画。
しかし最後までのめり込んで見入っていた自分がいる。