メイキング・オブ・モータウン

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You know, it was my first lesson.
One black kid is cute, two were a threat to the neighbourhood.
ベリー・ゴーディが創設したMotown record labelの当時の現状の説明が一通りの話が終わると "Get Ready" を歌うTemptations の映像が流れ本格的にこのドキュメンタリー映画が始まる。ベリー・ゴーディが、日頃からお金儲けの事やより良い生活をしたいと思っていたところに黒人コミューンの新聞紙”the Michigan Chronicle” が白人に受けることを知り自分一人で売っている時にはよく売れたので自分の兄弟を連れていけばもっともっと売れると....それが惨敗(笑)…　それは何故か？　人の根底に流れる無意識の差別心であり恐怖心... "一人は可愛い。大勢はただの脅威！"

てんこ盛りのエピソードを副社長でありモータウン・レコードで一番最初にヒットした曲を作り出したスモーキー・ロビンソンとベリー・ゴーディの会話を中心にモータウン・レーベルに直接関係している方々のインタビューを交えながら当時の映像であったり、写真を使ったアニメーションであったりと色々と登場させてテンポよく1958年から70年代初頭あたりまでのレーベルの話だけでなく黒人を取り巻く世相も簡潔に描いている。ちなみに "Motown Records" の "Motown" はデトロイトを意味する "Motor town" から拝借。ただし、細かな点で時代が錯誤しかねないのでご注意を...

It was December 27th 1964, I was ten years old,and it was a moment
that changed my life.
♪ Come see about me♪... When I saw the Supremes on TV that
night, it was magical to me because I had never seen black women
on television, although we were called "coloured" at the time, or
anywhere for that matter, who conveyed such glamour and such
grace. And nobody was used to seeing us portrayed the way I saw
the Supremes. That's why I missed most of the first song calling
everybody I knew saying, "Coloured people in！Coloured people！
Coloured people on TV！"
このエピソードは、20世紀だけでなく21世紀においてもその活動や人に与えた影響やLGBTの方たちがマイナーからメジャーに転換する機会を与えた人、そのオプラ・ウィンフリーが、10才の時に経験したことを彼女の冠番組、1993年の11月の ”オプラ・ウィンフリー・ショー” の映像をこのドキュメンタリー映画に登場させている。少し興奮気味にその上、鼻歌まで歌っていたなんてそれほど.....

♪Baby, baby　　Baby, don't leave me
Ooh, please don't leave me　　All by myself　～　♫
で始まるダイアナ・ロスを中心としたザ・スプリームズとしての最初のNo.1ヒット曲
"Where Did Our Love Go" 映像はパリの街で車が通っている通りを彼女ら3人が歌いながら道路を横切ってお巡りさんから歩道に上がるように誘導されている映像ってほんまもんですか？

You can never get the amount of talent that was in one room in
Motown. Stevland, Marvin Gaye, Diana Ross, the Supremes. Oh,
all these people who are Juggernauts.... and you look at a young
Michael Jackson. You know, and Smokey Robinson talks about
seeing Michael Jackson for the first time and just going, like,
"What is that？"
後半からラストに欠けては生前のマービン・ゲイのインタビューを交えて70年代初頭のアメリカの社会状況を織り交ぜながら彼の作品の紹介もされている。印象的には彼の性格なのか蚊が鳴くような細い声の印象が強いものとなっていて、当時ミュージック・シーンには欠かせないパートナーの急逝という悲しい出来事に加え、ベトナム戦争が混とんとした世の中に相まってか自分自身を見失いかけていたのかもしれない。一時期、マービン・ゲイは音楽活動を休止している。

アニメから飛び出してくるJackson 5が歌う "Want You Back" ... 歌を聞くというよりも感じさせ、音楽に"ビビット"なと形容できるリズム・アートに大変身させ誕生させている。そのモータウン契約後のマイケル・ジャクソン、弱冠5才にしてフロントを務めメジァー初デビュー作、初ヒット作、グラミー賞殿堂入りを果たしている歴史的一曲。

"What happens is when you depend so much upon a particular
writer or writer of a company, you begin to get a particular thing
just from these writers. And when the writers split and feel they
can do better somewhere else, I think that, then, you have to
realize the talents of artist."
Billboard Hot 100で1位の大ヒット作を弱冠13歳で生み出したスティービー・ワンダー。この1位獲得は現在でも史上最年少の記録となっている。こぼれ話として

2019年の8月には既にサウンド・トラックがCDと音楽配信がされていることから、この映画に使われた音楽は音源を再編集し、違和感なくすんなりと聞くことが出来る仕様となっている。...
こういうことがあったよとただ肩ひじを張らなくて観ることのできる映画です。

マービン・ゲイやダイアナ・ロス、スティービー・ワンダーにジャクソン5など、錚々たるミュージシャンを輩出したレコードレーベル、モータウンの正史を追ったドキュメンタリーだが、これが実に興味深い。
とにかく、レーベル創設者のベリー・ゴーディの、少年時代から備えていたビジネススキルの高さときたら。
自動車工場の生産ラインを音楽制作に転換すれば、人事面でも多人種や女性を登用するというダイバーシティ化を導入。さらに、所属ミュージシャン同士で競争心を煽ることでクオリティコントロールを図るといった、小室哲哉やつんく♂がやってきたプロデュースもいち早く実践。
一方で、そうしてヒット曲を連発するも、次第に自己プロデュースを求めてミュージシャン達が離れていくという件も、ショービジネスを象徴している。
ただ、そうした苦い過去も、「過ぎたこと」としてテンション高めに述懐できるあたりに、くぐってきた修羅場の多さを感じる。

貴重映像も満載だが、中でもジャクソン5のオーディションテスト時の、幼きマイケル・ジャクソンに驚愕。プロになる前からすでに"完成"されていたその佇まい。やはり彼はなるべくしてキング・オブ・ポップになったのだ。
ラストの、今のアメリカについてのスティービー・ワンダーのコメントが重い。