愛する者を失いながらも裏社会へと足を踏み入れてしまう元刑事の姿を描くサスペンス。ジェームズ・リー・バークのハードボイルド小説『天国の囚人』(邦訳・角川文庫刊)を、「陪審員」のアレック・ボールドウィン主演(エグゼクティヴ・プロデューサーもヒルディ・ゴットリーブと兼任)、監督は「愛という名の疑惑」のフィル・ジョアノーで映画化。製作は「ゴッドファーザー」のアルバート・S・ラディとアンドレ・E・モーガンの共同、脚本は「ツイン・ピークス」のハーレイ・ペイトンと「リトルマン・テイト」のスコット・フランクの共同、撮影はミュージック・ビデオ出身のハリス・サヴィテス、音楽は「フィッシャー・キング」のジョージ・フェントン、美術は「フィアレス」のジム・ストッダード、編集は「ザ・ファーム
法律事務所」のウィリアム・スタインカンプ、衣裳は「カリートの道」のオード・ブロンソン・ハワードがそれぞれ担当。共演は「ジャンクション」のケリー・リンチ、「妹の恋人」のメアリー=スチュアート・マスターソン、「スペシャリスト」のエリック・ロバーツ、「デッドフォール」のテリー・ハッチャーほか。
ヘブンズ・プリズナー총 (2) 개의 댓글
ストーリー: 55
キャスト: 70
演出: 75
ビジュアル: 75
音楽: 65
警察をやめざる得なかったアレック・ボールドウィン演じるデイブの苦悩。今はささやかだが妻と二人で平和に暮らしている。それなのにまた事件に巻き込まれて、やっと得た平穏な生活を奪われていく。いや自らその事件をきっかけに再びその世界に入っていったのか。アメリカ南部のじっとりとした蒸し暑さの伝わる風景と、ぴりぴりとした殺伐とした空気とが重なって、最後に孤独の中に男の心の傷が染み渡る様子を伝えてくる。
原作の小説は知らないが、物語はわかりにくい。急に飛行機が墜落し、麻薬組織があり、女が組織の乗っ取りを図り、殺し屋が現れ・・・、とそんな感じでデイブの知らないところで次々に物語が展開しすぎる。恐らく原作の内容をはしょりながら無理やり映画の中に詰め込んだんじゃないかと想像する。あるいはテレビで見たせいか途中がカットされたのか? そのせいか物語の流れは掴みづらいものとなり、デイブとの関連が薄いように見える。そもそも何故彼は命を狙われたのかすらはっきりとした理由が示されない。しかもこれだけ派手な行為をいろいろとしているのに、警察が介入してくる様子が殆ど描かれない。麻薬取締り局の人物が口をはさんでくるくらい。ちょっと重苦しい雰囲気とデイブの心の描き方が良かっただけに、物語はそれに追いつかなかったと感じた。