1930年代のロサンゼルスを舞台に、政治的陰謀に巻き込まれた私立探偵の戦いを描いた名作ハードボイルド。「さらば冬のかもめ」のロバート・タウンが脚本を手がけ、1975年・第47回アカデミー賞で脚本賞を受賞。「ローズマリーの赤ちゃん」のロマン・ポランスキー監督がメガホンをとり、ジャック・ニコルソンが主演を務めた。私立探偵ジェイク・ギテスは水道局幹部モーレイの妻と名乗る女性から、モーレイの浮気調査を依頼される。モーレイに若い恋人がいることを突き止めたギテスは、同時に彼が新ダム建設に反対していること、そして町の実力者である義父クロスと対立していることを知る。やがてギテスが撮影したモーレイの浮気現場の写真がゴシップ誌に掲載され、モーレイの本当の妻が弁護士を伴ってギテスの事務所に乗り込んでくる。そんな中、モーレイが溺死体となって発見され……。共演に「俺たちに明日はない」のフェイ・ダナウェイ、「マルタの鷹」などの監督ジョン・ヒューストン。
チャイナタウン총 (20) 개의 댓글
サム・シェパードやフィリップ・マーローなど私立探偵ものの人気は根強い、警察官と違って物差しは善悪だけでなく情にももろい、何よりルールは自身にあると言った一匹狼的な刹那と哀愁が持ち味、本作もその雰囲気、流れに沿ったオーソドックスな探偵もの。
よくある浮気調査と引き受けた軽い案件だった筈が予想外の展開、謎解きは探偵ジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)の視点で描かれるから観ている方も小さな証拠でも見逃さないように必死で画面を追ってしまう、まさにミステリーの王道です。
(ここからネタバレです)
ただ観終わってみると実際にロスは水の問題で苦しんでいた史実をダム建設を巡る陰謀に仕立てて大風呂敷を広げたのはいいがあの顛末ではまるで横溝正史のようなドロドロ感、殺し屋も演じているポランスキー監督には申し訳ないがどうみてもチンピラ風情で怖くない、かっての同僚の警部補も馬鹿丸出し、不条理なお涙落ちは好みの分かれるところでしょう、ただ劇中の唐突に鳴ったクラクションが伏線だったとはやられました。
チャイナタウンというタイトルは場所というより不条理の代名詞として使われているようです、30年代のロスのチャイナタウンがどうだったのか知らないので、いまいち理解に及びませんでした。
予想を遥かに超える、すごく良く練られたサスペンスでした。教材にされていると知って納得です。
1930年代のLA。
ダム建設の是非と利権をめぐる事件。
ダムに不向きな土地で過去に人的被害も出している地域。
わざと貯水池から水を排水し、住民を水不足で困らせる→ 住民投票でダム建設賛成を狙う。
同時進行で、利用価値の低い安い土地を、老人ホーム入居者達の偽名で購入しておく → その土地を灌漑する → 土地の値段が高騰 → 売却して多大な利益を得る
Apple coreはAlbacoreの聞き間違いのこと。
副局長に脅しをかけた途端、Gittesは、Albacore ClubのNoah Crossに招待される。救世主を想像させる、この親父の名前は皮肉そのもの。
EvelynがGittesを雇う理由: 夫の死の真相
NoahがGittesを雇う理由: Katherineの居場所
もう一度観直すとよく分かるのですが、登場人物の設定がブレることなく描かれています。
事件の鍵を握る、謎めいた美女的存在のEvelynは、実は非常に正直な女性です。一心に守りたいKatherineの存在、居場所、素性に関しては必死ではぐらかしますが、それ以外は全て真実を話しています。夫Hollisが陰でKatherineに会っていたことを感謝していると述べるし、「密会」場所のアパートはHollisの家ではないと否定します。Katherineをケダモノ親父から守る別邸であり、Hollisが殺された時、EvelynはKatherineと過ごしていたのでしょう。
チャイナタウンを担当していた元警官で今は探偵として働くGittes。とにかく鼻が効く男で、何にでも鼻を突っ込むので、文字通り鼻を負傷してしまいます。探り方は少々汚いけれど、妥協せず真実を真正面から追求する男です。そんな男が警察を辞めるきっかけとなったのはチャイナタウンで起きた過去の事件のよう。ここでの「チャイナタウン」は、西洋の常識が通用せず、法律が意味をなさない、見て見ぬ振りをして、何事もうやむやになる世界のことなのでしょう。「チャイナタウンじゃ仕方ないから忘れろ」と言われても決して忘れられない悲劇(守りたい女性を守れないこと)を再度経験することになったGittes。チャイナタウンの外で生きていても、真実は霧の中、法より金と権力がモノを言う世界だったのです。
芯の通ったGittesにEvelynが惹かれるのも分かります。普段はクール且つ大胆なEvelynが車のクラクションを鳴らす時…。エンディングは少し胸が張り裂けそうになりました(T ^ T)。
一つ筋書きに穴があるとすれば… Mulwray邸の庭師が池に落ちている眼鏡にずっと気付かないことくらいでしょうか(^^)。
面影がないくらい(失礼)、主演2人が格好良くて美しいです…。監督も、若い(^^)。
"As little as possible."
"Forget it, Jake. It's Chinatown."
複雑に絡まった糸が繋がった瞬間、物語は悲しい結末を迎える
要所要所でなぜ主人公が推理できたのかがわからないところがあり、やや不満
誰が殺したのか?という疑問が観客自身が解いていくような展開が秀逸。最後の辺りまでは娘が殺したんでしょうと思わせつつも、最後は黒幕が犯人だ!と思わせる。脚本がすばらしい。